区分建物における敷地権とは?①川崎の司法書士が解説します。

司法書士
黒坂浩司

今回は、区分建物(マンションなど)における敷地権について書いてみたいと思います。そもそも「敷地権」(「しきちけん」と読みます)って聞き慣れないことばですよね。
どのようなものなのでしょうか。

区分建物(マンションなど)を構成しているものとは?

 マンションのように、1棟の建物の中に、区分されて独立した部分(「専有部分」といいます)が複数ある建物があります。このような建物を「区分建物」(「くぶんたてもの」と読みます)といい、専有部分の所有権を区分所有権、その所有者を区分所有者といいます。

 区分建物は、マンション限らず、オフィスビルや商業施設等のさまざまな建物がありますが、ここでは一般的なマンションを例に説明します。

 区分建物は、専部分と共部分から構成されます。

「専有部分」「共用部分」とは

「専部分」は、区分建物のうち独立した所有権の対象となる部分、簡単にいえばマンションの住戸のことをいいます。

「共部分」は、専有部分以外の建物の部分、すなわち廊下・階段・エレベーター等、区分所有者全員が共同で利用する部分のことをいいます。

区分建物(マンションなど)の権利はどのように構成されているの?

 マンションなどの区分建物では多くの場合、登記上で敷地に関する権利を建物と一体のものとして扱います。区分建物の権利は、建物専有部分の単独所有権と敷地所有権の共有持分からなり、両者は一体化され、分離して処分できません。

区分建物の権利構成

区分建物 = 建物専有部分の所有権 + 敷地の(準)共有持分

 専有部分と分離して処分できない敷地に関する権利を、「敷地権」(「しきちけん」と読みます)といいます。

 この敷地権を建物登記上に取り込み、「一棟の建物の表示」では「敷地権の目的たる土地の表示」として、また「専有部分の建物の表示」では「敷地権の表示」として記録しています。

 区分建物は、一棟の建物の中に多数の個別専有部分があるため、登記上は「全体と個別」および「建物と敷地」に関して表示されます。

全 体

一棟の建物の表示
敷地権の目的である土地の表示

個 別

専有部分の建物の表示
敷地権の表示

 次回は、引き続き区分建物の登記について解説したいと思います。よろしくお願いいたします。

投稿者プロフィール

川崎の司法書士 黒坂浩司
川崎の司法書士 黒坂浩司
川崎で開業しております司法書士の黒坂浩司と申します。
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